若ハゲの原因と若ハゲ対策

一般的に若ハゲと呼ばれるのは40歳未満の薄毛ですが、若ハゲは10代でも20代でも起こります。この記事では若ハゲに特徴的な原因を書いていますが一般的なAGAの原因と対策も有効ですので参照してください。

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若ハゲの原因

若ハゲの原因には大きく4つあります。

①遺伝性の若ハゲで家族歴があるタイプ

若ハゲに特徴的な表現形をもつハゲ遺伝子が見つかっています[3][4]。

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②アレルギー体質だと若ハゲになりすい

ハウスダストなどのホコリや排気ガス、大気中に浮遊する微粒子などはアレルギーの原因です[2][3]。

③酸化ストレス

肥満や歯周病は慢性的な炎症を全身にばらまいている状態です。抗酸化成分がたっぷり含まれた食べ物や活性酸素を消去してくれる美容液や育毛剤を禿げている部位に塗布して酸化ストレスを低下させることで若ハゲ対策の育毛剤になり得ます[1][6]。

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④インスリン抵抗性

血糖値を下げる働きをするインスリンですが糖尿病の方はインスリン抵抗性があり血糖値が下がらないのです。若ハゲの人はこのインスリン抵抗性を持っていることが報告されています[5]。一般的に糖尿病や肥満などのメタボはハゲと関連があります。

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若ハゲの対策

これらの若ハゲになる原因を解消することで若ハゲの対策になると考えられます。まず遺伝性の若ハゲですが現在のところ遺伝子そのもの表現形を変える治療はないです。ですが、今後これらの遺伝子の働きが明らかになればエピジェネティクスなどの技術でその薄毛遺伝子をターゲットとする薬や育毛剤ができてくるでしょう。

5αリダクターゼ阻害剤の利用

現在のハゲ治療では遺伝子を変えずとも若ハゲを抑えることは可能です。そもそもハゲの主な原因は男性ホルモン(アンドロゲン)がより強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変わって抜け毛や産毛が増えることが原因です。したがってDHTを抑える薄毛治療薬『フィナステリド』が入っている飲み薬を飲むのです。この作用をもつ薬剤を5αリダクターゼ阻害剤といい、日本では『プロペシア』やその他ジェネリックが男性クリニックで処方箋医薬品としてお医者さんから買うことができます。これらの有効成分はフィナステリドという物質です。

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私も長らくプロペシアとジェネリックを飲んできましたが、私が現在服用しているのは海外のフィナステリド錠剤のフィナロイドという飲み薬です。

海外のジェネリックのフィナステリド薄毛治療薬

海外のジェネリックのフィナステリド薄毛治療薬『フィナロイド』

頭皮抹消血管拡張作用がある成分を塗る

もう一つの王道の薄毛対策で使われるのがミノキシジルです。ミノキシジルは頭皮に塗って使います。飲み薬もあるのですが体毛も濃くなるため薄毛対策には頭皮に塗るタイプの育毛剤がオススメです。このミノキシジル育毛剤は日本では『リアップ』の商品名で売られており普通に薬局や通販で買うことができます。これも最初はリアップ5%濃度の育毛剤を使用していましたが、私は現在7%ミノキシジルという海外の高濃度のミノキシジル育毛剤ポラリスを使用しています。

7%ミノキシジルポラリス

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アレルギーに関しては若ハゲの人は特に微粒子やホコリを吸わないようマスクなどをしてアレルギー対策をすることです。また空気のキレイな場所に住んだり空気清浄機で部屋の空気をキレイに保つことも有効です。

酸化ストレスを減らすことで若ハゲ対策になるのですが抗酸化対策の方法は様々あります。まず肥満にならないよう正しいダイエットをすることですし、歯周病にならないよう口腔内衛生状態を保てる矯正治療も有効です。その他にもタバコを吸わないとか紫外線を浴びないようにするとかストレス解消法を知っておくなどの工夫もあります。

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紫外線や大気中の汚染物質から活性酸素が増えるのを防ぐため抗酸化能が高い美容液を頭皮に塗ることも有効と考えられます。私がおすすめするのはビタミンC誘導体配合の美容液を外出時に頭皮に塗ることです。ビタミンC誘導体は皮膚や頭皮から容易に浸透し日中の内外時間をかけて皮膚内のフォスファターゼ酵素で徐々に分解されビタミンCを放出してくれるため持続性があるのです。ビタミンC誘導体と薄毛対策の関係についてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

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また、大気汚染が都市部でひどい状況ですが、禿げる原因になるかどうか詳しく知りたい方はこちらの記事も参照してください。

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4つ目の若ハゲの原因であるインスリン抵抗性を改善するには食事の改善から始めることです。インスリンは血糖値を下げますがインスリンが効かなくなると血糖値が下がりません。なぜ効かなくなるかというと砂糖などの糖質(血糖値を上げる食べ物)を食べ過ぎるとインスリンが出っぱなしになってインスリンのスイッチであるインスリン受容体に耐性がついてインスリンが効きにくくなってしまうからです。ですのでまず糖質を制限することが血糖値を下げインスリン抵抗性を改善しますし。肥満も解消され若ハゲ対策にもなって一石二鳥です。

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私はもう1年以上主食と呼ばれる米やうどんなどの炭水化物全般を食べていません。がすこぶる調子がよく人間ドックの数値も改善しましたし、髪の毛を増やす観点からもプラスに働いていると思っています。

【参考文献】

  1. The role of oxidative stress in earlyonset androgenetic alopecia. Kaya Erdogan H et al., J Cosmet Dermatol. 2016 Dec 16. doi: 10.1111/jocd.12300. [Epub ahead of print]
  2. Allergy to dust mites may contribute to early onset and severity of alopecia areata. Li SF et al., Clin Exp Dermatol. 2015 Mar;40(2):171-6. doi: 10.1111/ced.12471. Epub 2014 Sep 23.

  3. Clinical characteristics and prognostic factors in earlyonset alopecia totalis and alopecia universalis. Cho HH et al., J Korean Med Sci. 2012 Jul;27(7):799-802. doi: 10.3346/jkms.2012.27.7.799. Epub 2012 Jun 29.

  4. Six novel susceptibility Loci for earlyonset androgenetic alopecia and their unexpected association with common diseases. Li R et al., PLoS Genet. 2012 May;8(5):e1002746. doi: 10.1371/journal.pgen.1002746. Epub 2012 May 31.

  5. The investigation of insulin resistance and metabolic syndrome in male patients with earlyonset androgenetic alopecia. Mumcuoglu C et al., Eur J Dermatol. 2011 Jan-Feb;21(1):79-82. doi: 10.1684/ejd.2010.1193.

  6. Obesity and low-grade inflammation among young Finnish men with earlyonset alopecia. Hirsso P et al., Dermatology. 2007;214(2):125-9.