薄毛は睡眠不足が関係しています。昼間と比べて夜眠っている時は皮膚や髪の毛が増殖する時間帯だからです。夜寝る前に寝酒やスマホのブルーライトなどを浴びてしまうと深い睡眠であるノンレム睡眠に入りにくくなってしまうため髪の毛にも良くないのです。
睡眠と育毛の関係
髪の毛がのびていく場所は根元の『毛乳頭』の細胞です。つまり毛乳頭の中の細胞分裂が活性化すれば髪の毛がのびていくわけです。
睡眠の深さ
皮膚や髪の毛の細胞分裂を起こすのは深夜2時前後に脳の『下垂体』という場所から出る『成長ホルモン』が分泌されるためです。ですので髪の毛を増やしたいなら睡眠は深夜2時には寝付いていることが大切です。成長ホルモンは成長期だけでなく成人以降でも必要なホルモンで髪の毛や皮膚を増やす作用があります[1][2]。成長ホルモンが直接作用することもありますがほとんどは『IGF-1』に変わってから細胞に作用します。
睡眠の長さ
睡眠の長さも薄毛と関連が知られており、睡眠時間が短いとハゲのリスクが高まります。ある研究では6時間以下の睡眠時間は薄毛の人が多かったというデータもあります[3]。この6~7時間の睡眠時間は最も長生きできる睡眠時間です。6時間~7時間程度の睡眠時間は髪の毛のためにも良いということになります。
頭皮の厚みと睡眠
この成長ホルモンやIGF-1は髪の毛の細胞分裂の作用だけでなく頭皮も厚くしてくれます。成長ホルモンやIGF-1の作用で上皮の細胞分裂が増えたり、真皮のコラーゲン繊維が増えるために頭皮が厚くなるのです。頭皮が厚くなると髪の毛が深く根を張ることができますので毛が長く太く成長することができます。よく頭皮が硬く薄い人はハゲると言われていましたが本当なのです。
メラトニンと薄毛
睡眠にはもう一つ大事なものがあります。それは『メラトニン』です。メラトニンは一日のリズムに関連して夜になると増えてきます。ブルーライトを浴びたり老化してくるとメラトニンが少なくなりますので睡眠時間が短くなります。メラトニンは抗酸化力が強いため薄毛の原因である活性酸素や炎症を抑制してくれます。薄毛の人の毛乳頭周囲には活性酸素や炎症が増えているからです。同じ理由で肥満と薄毛の関連も知られています。
つまり薄毛にならないようにするために睡眠は深夜2時までには熟睡して成長ホルモンを浴びることと就寝前にブルーライトを浴びないことでメラトニンを増やすことが大切だとわかります。
【参考文献】