空気中を浮遊している大気汚染微粒子で薄毛になるか?

薄毛の原因には毛包や幹細胞が活性酸素と炎症で機能が衰え細胞数が減ってくることがあります。特に都市部や沿岸部の空気中には皮膚や頭皮など触れるだけで活性酸素を放出する微粒子が浮遊していますのでこの記事ではPM2.5や酸化金属粒子など活性酸素を引き起こす微粒子でハゲにならないのか科学論文で検証してみます。

大気汚染で微粒子が増えると薄毛も増える

一般にこのような微粒子は皮膚に触れると活性酸素が発生します[4]ので皮膚や髪の毛の細胞DNAやタンパク質を酸化し薄毛になり[1]、さらに炎症を引き起こして[3]コラーゲン繊維や弾性繊維などの髪の毛の発育に重要な環境をも破壊することが考えられます。

特に頭皮の毛穴は特大サイズですし、合成界面活性剤でできたシャンプーやリンスを使用していると頭皮のバリア機能が低下していますのでより微粒子が体内に入り込みやすくなります。また、毛穴の表層近くには髪の毛を作る幹細胞が固まって存在していますのでこれらの大気汚染微粒子が毛穴から入り込むと活性酸素によるDNAダメージが起こるため幹細胞の分裂が停止し、DNAに傷が増えることになります。こうして髪の毛は薄くなり白髪が増え若ハゲの原因ともなっていると考えられます。

微粒子はどこからくるのか?どのようなものなのか?

大気汚染の微粒子の発生源や構成物質もさまざまで黄砂に代表される自然由来のPM2.5というマイクロサイズの微粒子や窒素酸化物、酸化金属などが空気中で凝集して微粒子になることもあります。都市部や沿岸部では排気ガスや工場の排煙にこれらの微粒子が含まれています。また、喫煙(タバコ)でも煙の中にマイクロサイズの微粒子が含まれていますので本人だけでなく周囲の人の頭皮にも活性酸素を発生させて薄毛や若いのに白髪が増える原因となっています[2]。

空気中の微粒子から髪の毛を守るには

洗髪で微粒子の汚れを洗い流す

活性酸素を発生させて薄毛の原因となる空気中の微粒子から頭皮や髪の毛を守るためには外出から帰ってきてからの洗髪と日中の活性酸素ならびに炎症対策をただしく行うことが大切です。洗髪で頭皮や髪の毛に付着した微粒子を洗い流すのですが、その時に合成界面活性剤でできたシャンプーを使っていては逆に活性酸素を増やしてしまいますので薄毛になるわけです。そこでハゲにならないために水道水で洗い流すと界面活性作用が失われる石鹸ベースの洗剤で洗うことをおすすめします。

ビタミンC誘導体で日中の活性酸素と炎症を抑制する

紫外線対策にもなるのですが、ビタミンC誘導体やビタミンE誘導体を配合した美容液や化粧水は皮膚から浸透し日中長い時間をかけて徐々にビタミンCやビタミンEを放出する機能をもっています。

ビタミンCやビタミンEは抗酸化作用と抗炎症作用があるため大気汚染で毛穴や毛包がダメージをくらうのを軽減してくれます。特に幹細胞への活性酸素ダメージは若ハゲの原因でもあると考えられるため頭皮にビタミンC誘導体やビタミンE誘導体配合の美容液を塗っておいて損はないと思います。

もちろんビタミン剤などのサプリや緑茶や野菜を食べることでビタミン、ポリフェノールを補給することも大切だと思います。私は冷蔵庫に緑茶を常備してのどが乾いたら緑茶を飲みますし、外出時には緑茶を携帯することが多いです。

まとめると、大気中を浮遊している活性酸素源である微粒子は頭皮や毛穴に付着すると活性酸素と炎症をふやして薄毛の原因になっている。その対策は洗髪とビタミンCなどの補給が大事だということです。

【参考文献】

  1. Oxidative stress in androgenetic alopecia. Prie BE et al.,J Med Life. 2016 Jan-Mar;9(1):79-83.

  2. Induction of alopecia in mice exposed to cigarette smoke. D’Agostini F et al., Toxicol Lett. 2000 Apr 3;114(1-3):117-23.
  3. Particulate matter 2.5 regulates lipid synthesis and inflammatory cytokine production in human SZ95 sebocytes. Liu Q et al., Int J Mol Med. 2017 Oct;40(4):1029-1036. doi: 10.3892/ijmm.2017.3109. Epub 2017 Aug 25.
  4. Air pollution and skin diseases: Adverse effects of airborne particulate matter on various skin diseases. Kim KE et al., Life Sci. 2016 May 1;152:126-34. doi: 10.1016/j.lfs.2016.03.039. Epub 2016 Mar 25.