ハゲは遺伝が一番大きい原因ですがタバコや飲酒なども薄毛が加速して、より重度のハゲになります[2]。タバコ（喫煙）は老化を加速しガンの原因だけでなくハゲの原因でもあります。ガンになりますよといっても禁煙しない人はたくさんいますがハゲになると聞いて禁煙を考える人は多いと思います。現在はより有害物質の少ない電子タバコもありますが、タバコに含まれる物質でハゲが年齢上に加速しないか医学論文で検証してみます。
喫煙がハゲる理由
喫煙がハゲになる理由は複数あります[4]。まず髪の毛を作っている毛根の『毛乳頭』に血液が十分に行き渡らなくなるからです。タバコにはニコチンが含まれていますのでニコチンの血管収縮作用で髪の毛を作るのに必要な酸素や栄養が少なくなるのです。
また、喫煙は毒性のある物質が毛乳頭で活性酸素を発生させるためＤＮＡが壊れ髪の毛が作られなくなったり細胞自体が死んでいきます。さきほどのニコチンも頭皮から容易に吸収される毒物であるため活性酸素と炎症が増え細胞が老化していくためハゲが加速していくことになります。
ハゲの初期は『おでこ』と『つむじ』からきますが喫煙はおでこ（前頭部）の薄毛、つむじ（頭頂部）の薄毛と関係があり[3]、ハゲの進行度表で男性のハゲの分類の中程度から重度のハゲは喫煙と関係があります[1]。
副流煙で周囲の人もハゲる
さらに恐ろしいのは喫煙は自分だけでなく周囲の人もハゲにします。マウスの実験では副流煙がまじった煙を３か月充満させておくと抜け毛と白髪が増えました[5]。喫煙のハゲでは毛乳頭細胞が死んでいくと言いましたがこの実験でも同様です。
さらに皮膚（頭皮）の細胞も死んでいくため頭皮の厚みも減るので髪の毛が太く長く育ちません。ちなみに、この皮膚の厚みが減るという現象は合成界面活性剤でできたシャンプーでも起こっていてハゲの原因になっています。
【参考文献】
- Association of androgenetic alopecia with smoking and its prevalence among Asian men: a community-based survey. Su LH et al., Arch Dermatol. 2007 Nov;143(11):1401-6.
- An epidemiological study of androgenic alopecia in 3114 Korean patients. Yeo IK et al., Clin Exp Dermatol. 2014 Jan;39(1):25-9. doi: 10.1111/ced.12229.
- The contribution of endogenous and exogenous factors to male alopecia: a study of identical twins. Gatherwright J et al., Plast Reconstr Surg. 2013 May;131(5):794e-801e. doi: 10.1097/PRS.0b013e3182865ca9.
- Association between smoking and hair loss: another opportunity for health education against smoking? Trüeb RMDermatology. 2003;206(3):189-91.
- Induction of alopecia in mice exposed to cigarette smoke. D’Agostini F et al., Toxicol Lett. 2000 Apr 3;114(1-3):117-23.