男性の薄毛の原因

禿げや薄毛は男性の方が多いということは街を歩いていてもなんとなくわかるのではないでしょうか?しかも髪の毛が後退するパターンが模様となってはっきりしているのも特徴的です。このような男性の禿げは遺伝だからしょうがないとあきらめる人もいるかと思いますが、何とかして年齢相応に髪の毛を維持できないものでしょうか?

男性型脱毛症(AGA)とは

男性の薄毛で一番多い原因は男性ホルモンが原因の『男性型脱毛症(別名AGA)』です。AGAは髪の毛を作る根元の『毛包』が徐々に小型化していき髪の毛が育たなくなっていきます。なぜ男性のほうが禿やすいのかといえば男性ホルモンは『5αリダクターゼ』という酵素の働きでより強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(別名DHT)に変わり、このDHTが薄毛の直接的な原因になっているからです。

抜け毛が増えたり鏡でおでこが広くなるのを見るのはつらいもので、しかも男性でも女性でもハゲたり薄毛になったりしたら髪の毛が戻るかどうかもわからず不安になります。自分は薄毛かもしれないと思ったら自分で禿のチェックをしてみましょう。

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髪の毛は成長サイクルがあり一旦細く抜け毛になっても再度成長していくので、原因に応じた対応で薄くなった髪の毛が復活します。そのためにはまず薄毛の原因を知ることが必要です。

男性型脱毛症原因には、『遺伝的要因』、『ホルモン的要因』、『環境的要因』が関与していると考えられています。それではひとつづつ見ていきましょう。

毛の成長サイクル

毛も皮膚や細胞と同様に成長サイクルがあって一生涯そのサイクルを回しています。毛の成長サイクルは3つ(脱毛まで入れると4つ)あり、それぞれ①成長期(2~5年)②退行期(3~6週)③休止期(3~5か月)です。

毛周期

AGAでは成長期が短く休止期の髪の毛が多いため細く短い毛が多くなり薄毛になります。

男性の薄毛の原因

薄毛の原因① 遺伝的要因

多くの人の予想通り、男性型脱毛症は遺伝要因が強く、父親と息子のハゲの程度がかなり一致していることがわかっています[1]。男性型脱毛症の遺伝は優性遺伝などの『メンデルの法則』に従わず、メタボリックシンドロームと同様に多くの遺伝子が複雑に関係しています。

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そのため父親が禿げている人は高校生など若い時から薄毛対策の科学的改善法を知って実践することで薄毛を最小限に抑えることができると考えます。

薄毛の原因② ホルモン的要因

先ほど説明したように男性ホルモンが5α-リダクターゼ酵素によってより強い男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変わることが男性型脱毛症の原因です。DHTが『男性ホルモン受容体』というスイッチを押すことによって毛周期の休止期を増やして薄毛になっていきます。この5αリダクターゼが原因の薄毛に関して、現在では5αリダクターゼを阻害する育毛剤や薄毛治療薬がありますのでこの記事を参考にしてください。

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私も抗加齢医学会に入会したときからフィナステリド錠とミノキシジル外用剤を毎日使ってきました。フィナステリド錠剤は男性クリニックで処方してくれますし、ミノキシジル育毛剤はドラッグストアで日本だと『リアップ』の名称で売られています。現在はフィナステリド錠はプロペシア以外でもジェネリックが解禁になりましたのでひと昔前よりかなり継続しやすくなっています。ちなみにトーワのフィナステリドジェネリックは4000円程度で買えます。

私は現在は海外のフィナステリド錠剤と高濃度ミノキシジル育毛剤を使っています。

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薄毛の原因③ 環境的要因

男性型脱毛症は大気中の浮遊金属やタバコ、高血糖などのいわゆる『メタボリックシンドローム』や毛根にダメージを与える紫外線、育毛に必要な栄養素を含んだ食べ物などの生活環境と関係しています。

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50歳時点で約50%の人が程度の差はあれ男性ホルモン型の薄毛(AGA)でハゲていくといいます。そんな状況で食べ物やサプリメントなどの...

タバコはハゲの原因でニコチンによる血管収縮作用による毛根への血流が減ることや、ニコチンが細胞毒性がありため活性酸素を発生させることによってハゲを加速します。男性型脱毛症の患者の毛根の髪の毛を作る『毛乳頭』で炎症や酸化ストレスがあることが証明されています[2]。

育毛には毛包周囲のコラーゲン線維が十分にあることが必要なのですが、紫外線や先ほど述べた大気汚染物質などで活性酸素や炎症が起こるとコラーゲン繊維を溶かす酵素が発生するため毛の成長に良くありません。そもそも紫外線自体が細胞のDNAにダメージを与えて老化させるため毛を作る細胞が減っていき薄毛や抜け毛が増える原因となっています。

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【参考文献】

  1. Male androgenetic alopecia. Hoffmann R. Clin Exp Dermatol. 2002 Jul;27(5):373-82.
  2. Oxidative stress in androgenetic alopecia. Prie BE et al., J Med Life. 2016 Jan-Mar;9(1):79-83.