薄毛は遺伝するのか?

親が薄毛でハゲていると特に男の子供は高確率でハゲると言われてきました。一方でハゲは大部分の原因が男性ホルモンによる毛包の縮小とされていますし、本当に薄毛が遺伝するのか、遺伝と男性ホルモンとの関係もみていきましょう。

ハゲと遺伝の関係

薄毛の何%が遺伝するのか

薄毛の原因は遺伝だけではないのですがかなり高い割合で遺伝性があります。抜け毛で薄毛になっている人の約40%に強い家族歴があります[1]。

男性の薄毛は遺伝?

男性の薄毛の原因で一番多いのがAGAです。薄毛のうち男性の一般的な原因である男性ホルモンが関係している『AGA』はヨーロッパ人の男性に多く一生のうちAGAにかかる人の割合は80%もあります[2]。

男性の薄毛の原因
禿げや薄毛は男性の方が多いということは街を歩いていてもなんとなくわかるのではないでしょうか?しかも髪の毛が後退するパターンが模様とな...

女性の薄毛は遺伝?

男性と比べて女性はあまりハゲになりにくく女性型の薄毛になります。AGAは男性に一般的ですが女性でもAGAが原因で薄毛になっているタイプの薄毛もあります。

女性のAGAも遺伝性が高く父親がAGAで薄毛になっていると女性もAGAのリスクが上がります[5]。

女性の薄毛の原因と対策
ハゲや薄毛といえば男性だけに起きるものと考えている人もいるかもしれませんが、人間年を取ると老化で徐々に髪の毛も薄くなっていくため薄毛...

円形脱毛症も遺伝性

AGAとは異なるハゲですが、円形脱毛症も遺伝性があります[6]。

薄毛になる遺伝子と男性ホルモンの関係

薄毛が遺伝するということはハゲやすい遺伝子があるということです。AGAではいくつかの遺伝子に変異があるとAGAになりやすく、その変異のことを『遺伝子多型』と呼んでおり遺伝子の個性です。

AGAは男性ホルモンと深い関係があります。そのため男性ホルモン受容体をコードしている遺伝子の遺伝子多型にはAGAのリスクを上げるものがあります[4]。男性ホルモンの代謝物であるDHTがハゲになる男性ホルモンの直接的な原因ですが、毛包がこのDHTに対する感受性が敏感なほど禿げやすくなります[7]。高校生や20代などの若ハゲ対策として、父親がハゲている人は遺伝の影響から自分もハゲるリスクが高いことを知っておくべきです。

高校生から始める薄毛・若ハゲ対策
高校生などの未成年でも薄毛になることがあります。ただでさえ薄毛やハゲは心理的ダメージが大きいのに高校生などの若ハゲはよりつらいでしょ...

【参考文献】

  1. Profile of alopecia areata: a questionnaire analysis of patient and family. Shellow WV et al., Int J Dermatol. 1992 Mar;31(3):186-9.
  2. Hunting the genes in male-pattern alopecia: how important are they, how close are we and what will they tell us? Heilmann-Heimbach S et al., Exp Dermatol. 2016 Apr;25(4):251-7. doi: 10.1111/exd.12965. Epub 2016 Feb 26.
  3. Evaluation of DNA variants associated with androgenetic alopecia and their potential to predict male pattern baldness. Marcińska M et al., PLoS One. 2015 May 22;10(5):e0127852. doi: 10.1371/journal.pone.0127852. eCollection 2015.

  4. Androgen receptor gene polymorphisms and risk for androgenetic alopecia: a meta-analysis. Zhuo FL et al., Exp Dermatol. 2012 Mar;37(2):104-11. doi: 10.1111/j.1365-2230.2011.04186.x. Epub 2011 Oct 10.
  5. Hair loss, insulin resistance, and heredity in middle-aged women. A population-based study. Matilainen V et al., J Cardiovasc Risk. 2003 Jun;10(3):227-31.
  6. Profile of 513 patients with alopecia areata: associations of disease subtypes with atopy, autoimmune disease and positive family history. Goh C et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 2006 Oct;20(9):1055-60.
  7. Assessment of the usefulness of dihydrotestosterone in the diagnostics of patients with androgenetic alopecia. Urysiak-Czubatka I et al., Postepy Dermatol Alergol. 2014 Aug;31(4):207-15. doi: 10.5114/pdia.2014.40925. Epub 2014 Sep 8.