白髪染めで薄毛にならないために知っておくべきこと

髪の毛の老化とともに髪の毛が薄くなるだけでなく白髪も増えていきます。年取った印象を与えたくない方がまず考えるのがヘアカラーで黒く白髪を染めようと考えるものです。自宅用と美容師さんにやってもらう白髪染めがありますが、ヘアカラーの時のあのきつい臭いは頭皮にとって毒なのではないかと心配になりませんか?そこでこの記事では白髪染めは白髪だけを染めハゲにはならないのかどうかを医学論文で検証してみます。

白髪染めを地肌につけると薄毛になる

白髪染めに含まれる過酸化水素

白髪を染めるためにはいったん髪の毛の色素を脱色して新たな黒染めの色素をしみこませます。しかしその脱色には活性酸素を放出する成分が配合されるのが一般的です。多くの白髪染めには過酸化水素水が使われています。過酸化水素水は活性酸素で髪の毛の色素を分解していきます。活性酸素は頭皮につけると毒ですので細胞が死んで薄毛になっていきますので、毛根の髪の毛を作る細胞が過酸化水素水に触れるなど考えたくもありませんね。

髪の毛を作ったりメラニン色素で黒くしてくれる細胞の大元は幹細胞といいます。近年、髪の毛の幹細胞が毛穴からわずか1~2mmの浅い部位(バルジ領域)に固まって存在していることが判明したため頭皮につけるシャンプーやヘアカラーの幹細胞への悪影響が指摘されています。

幹細胞が老化すると薄毛になるのか?
そもそも髪の毛はどうやって生えてくるのでしょうか?実は髪の毛も皮膚と同様に髪の毛の元となる細胞(幹細胞またはバルジ細胞)があり髪の毛...

白髪染めに含まれる合成界面活性剤

白髪染めには合成界面活性剤が入っているものが多く、その合成界面活性剤には『モノエタノールアミン(MEA)』やジアミン化合物が使われている場合があります。どちらの合成界面活性剤も皮膚炎がおこりやすい化合物ですので痒みが出たらすぐに使用を中止して皮膚科を受診すべきです。

そもそも合成界面活性剤も細胞毒性があり細胞を殺して減らし機能も劣化させていきます。先ほど述べた過酸化水素水と同様に髪の毛を作っている細胞を減らしてしまうため薄毛の原因になります。また、合成界面活性剤の毒によりコラーゲン繊維を減らすMMP酵素が増え、活性酸素自体による真皮内細胞へのDNAダメージがありますので機能の劣化と数が減っていくことになります。髪の毛が長く成長できる条件に頭皮の厚みがしっかりあることがありますが、合成界面活性剤はこのように逆に真皮を薄くして薄毛のリスクを上げているのです。さらに頭皮は薄くなりますし、先ほども述べたように毛穴近くに幹細胞が固まって存在しているため髪の毛も減り白髪も増えることになります。

つまり薄毛のリスクを減らし白髪染めをするなら頭皮になるべくつけないことです。あるいは過酸化水素や合成界面活性剤不使用の白髪染めを使うかです。

【参考文献】

  1. Hydrogen peroxide and monoethanolamine are the key causative ingredients for hair dye-induced dermatitis and hair loss. Seo JA et al., J Dermatol Sci. 2012 Apr;66(1):12-9. doi: 10.1016/j.jdermsci.2011.12.015. Epub 2012 Jan 4.
  2. Allergic contact dermatitis from trideceth-2-carboxamide monoethanolamine (MEA) in a hair dye. Bowling JC et al., Contact Dermatitis. 2002 Aug;47(2):116-7.