合成界面活性剤入りシャンプーはなぜ抜け毛や薄毛を加速するのか?

合成仮面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム入りシャンプー

今回はドラッグストアやコンビニで普通に販売されているシャンプーに多く使われている合成界面活性剤である『ラウリル硫酸塩またはナトリウム(SLS)』に代表される合成界面活性剤は皮膚や頭皮に毒性があることから、ハゲの原因にもなっているのではないかと興味を持ちました。

結論から言いますと、年齢以上の薄毛や白髪を少しでも減らすためには合成界面活性剤を日常生活から少しでも避けることで年齢以上のハゲの進行を抑えることができます。

合成界面活性剤の毒性で頭皮に活性酸素が増える

合成界面活性剤は皮膚や頭皮を乾燥させる

ラウリル硫酸ナトリウムに代表される合成界面活性剤は水にも油にも溶ける性質があるためシャンプーやクレンジング液、乳液やクリームに多用されています。しかし昔から合成界面活性剤を皮膚に塗布すると肌荒れが起こることが知られており、その原因は保湿成分(NMFと細胞間脂質)を溶かし出して皮膚バリア機能を破壊することによると考えられていました[1]。ネズミの実験で乾燥肌を人工的に作るために使用される試薬がこのラウリル硫酸ナトリウムであることは意外と知られていません。

ところがこれまで長い間ラウリル硫酸ナトリウムにう代表されるような合成界面活性剤は油汚れが楽に落ちるので食器洗い洗剤から歯磨き粉、シャンプー、リンス、化粧品にいたるまで広く用いられてきました。しかし近年、髪の毛や皮膚の元となる細胞である『幹細胞』がバルジ領域という毛穴から1,2ミリ程度の浅い部位にあることが判明し細胞毒性のある合成界面活性剤の皮膚や頭皮に対する老化への影響が懸念されています。

合成界面活性剤は細胞毒性がある

先ほども述べたように、ラウリル硫酸ナトリウムなどの合成界面活性剤が乾燥肌や肌荒れを起こす原因は皮膚バリア機能の破壊によるものです。さらに皮膚を乾燥させるだけでなく細胞毒性とその高い浸透性から皮膚に深く浸透して生きた細胞にまで活性酸素ダメージを与えることがわかっています[1]。活性酸素は老化の主要な原因で細胞機能の低下やアポトーシス(細胞の自殺)を引き起こすため肌にはシワやたるみが生じ、頭皮は抜け毛や白髪が生えることになります。

幹細胞が頭皮や皮膚表面からわずか1,2ミリの浅いところに固まっていると言いましたが、合成界面活性剤などで頭皮に活性酸素が増えると幹細胞のDNAにダメージを与えて細胞分裂を止めてしまいます。DNAが修復されない場合も報告されておりその場合には細胞分裂を永久に停止していわゆる『老化細胞』となってそのまま長い間生き続けます。このような老化細胞は通常の細胞と異なり『SASP』現象と呼ばれる周囲の細胞にまで活性酸素ダメージを与える性質に変化します。SASPでは炎症性サイトカインやコラーゲン線維や弾性繊維を溶かすプロテアーゼを放出するためますます老化が進み髪の毛は薄くなり白髪も増えます。

幹細胞が老化すると薄毛になるのか?
そもそも髪の毛はどうやって生えてくるのでしょうか?実は髪の毛も皮膚と同様に髪の毛の元となる細胞(幹細胞またはバルジ細胞)があり髪の毛...

合成界面活性剤配合のシャンプーを使用すると薄毛になる

つまり合成界面活性剤を使っているシャンプーで髪を洗っていると汚れは落ちますがその便利さの代償として年齢以上に禿げたり抜け毛が増えることになります。

上でも述べましたが合成界面活性剤は皮膚や毛穴から浸透し、代表的な合成界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(SLS)は皮膚や頭皮から5~6mmの深さまで浸透します[2]ので上皮はもちろん真皮、皮下、筋までラウリル硫酸ナトリウムに暴露されることになるのです。そして髪の毛が生えるのに必要な幹細胞が集まっているバルジ領域は毛穴からわずか1.65mmの深さにあります[3]。つまりラウリル硫酸ナトリウムは容易に毛の幹細胞に活性酸素ダメージを与える可能性があるということを意味しています。特に頭皮は巨大なサイズの毛穴があるため他の部位より浸透しやすく薄毛になりやすいと考えられます。

私は医療人であると同時に科学者でもあるのでわからないことがあると常に科学論文やまともなテキストブックを調べますが事実を知れば知るほど老化の観点から見ると危険なシャンプーやクレンジング剤が周りに普通にで売られていることに驚かされます。

汚れを落とすだけなら合成界面活性剤は便利なものですが、私はなるべくハゲたくないですししわやシミも最小にして老化を最小限にして健康に長生きしたいです。私は抗老化医学の知識が高じて合成界面活性剤不使用で防腐剤フリーの無添加化粧品ブランドを自分で作りましたのでそれで毎日髪の毛と顔を洗っています。もしよければどうぞ。

『いつまでも顔やスマイルを健康で美しく保ってほしい』年齢以上の老化をしたくない人のために老化の医学に基づいて開発した無添加エイジングケア基礎化粧品『オーソブルーム™』公式サイト

ちなみに今でも普通に売られている有名なシャンプーの裏の成分表示を見てみましょう。

合成仮面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム入りシャンプー

日本では薬事法で化粧品類の成分表示はすべて記載しなければならず、しかも多く含まれているものから順に表示しなければなりません。このような法的知識を背景にこのシャンプーを見てみましょう。水の次にラウリル硫酸~やラウレス硫酸~が来ていることがわかります。ということはほとんど水と合成界面活性剤でできたシャンプーだということです。この記事で何度も述べてきたように汚れを落とすだけでなく年齢以上に薄毛や抜け毛を増やしたくない方は石けんベースの洗剤で頭皮や髪を洗うことをおすすめします。

【参考文献】

  1. Sodium Lauryl Sulfate Stimulates the Generation of Reactive Oxygen Species through Interactions with Cell Membranes. Mizutani T et al., J Oleo Sci. 2016 Dec 1;65(12):993-1001. Epub 2016 Nov 9.

  2. Quantification of sodium lauryl sulfate penetration into the skin and underlying tissue after topical application–pharmacological and toxicological implications. Patil S et al., J Pharm Sci. 1995 Oct;84(10):1240-4.

  3. Morphometric analysis of the human scalp hair follicle: practical implications for the hair transplant surgeon and hair regeneration studies. Jimenez F et al., Dermatol Surg. 2011 Jan;37(1):58-64. doi: 10.1111/j.1524-4725.2010.01809.x. Epub 2010 Nov 11.