肥満と薄毛は関係があるの?

肥満で薄毛はかなりのインパクトがあり、なんとなく太っている人に薄毛の人も多いように感じますが、本当に肥満と薄毛は関係があるのでしょうか?

肥満は慢性炎症源なので薄毛になる

体の中に炎症を慢性的に発生させているところがあると髪の毛が薄くなる原因になります。肥満は慢性的に体全体に軽く炎症を引き起こしてる『炎症源』です。肥満による炎症は早期にハゲになる原因となっています[1][2]。男性型脱毛症(AGA)の毛乳頭では炎症と活性酸素レベルが増えていることが知られています。活性酸素は細胞の数を減らし、機能も劣化させる老化の主な原因ですのでなるべく体に不要な活性酸素や炎症は減らすことが育毛にも必要だとわかります。

毛穴構造

肥満と同様に虫歯や歯周病も慢性炎症源ですので薄毛につながると容易に考えられます。ハゲの予防にもダイエットと口腔内を清潔にしましょう。

肥満はミネラルが不足するので薄毛になる

また、太っている人は亜鉛や鉄、銅が不足しているといます[3][4]。さらに髪の毛の成長に必須な抗酸化ミネラルのマグネシウムも減っているため薄毛になっていきます。亜鉛、銅、鉄、マグネシウムなどは微量ミネラルですが不足すると髪の毛が成長しにくくなるためハゲになる原因です。

薄毛にならないために必要なミネラルは?
髪の毛の成長に必要なのが亜鉛をはじめとした微量ミネラルです。これらのミネラルは不足しても薄毛になりますが摂りすぎても毒になり...

太っている人はまずどの微量ミネラルが足りないのか毛髪検査をしてみてからサプリで補給してもいいと思います。ハゲを防止するために糖質制限などのダイエットをして痩せながらミネラルを補給ですね。

また、肥満はメタボリックシンドロームいわゆる生活習慣病の前兆です。薄毛とメタボリックシンドロームも関係がありますので、やはり肥満と薄毛の関連も示唆されます。

つまり、肥満と薄毛は関係があり、その原因は炎症と活性酸素、ミネラルの不足によるものだとわかります。

【参考文献】

  1. Obesity and low-grade inflammation among young Finnish men with early-onset alopecia. Hirsso P et al., Dermatology. 2007;214(2):125-9.
  2. Metabolic syndrome in androgenic alopecia. Gopinath H et al., Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2016 Jul-Aug;82(4):404-8. doi: 10.4103/0378-6323.174421.
  3.  Zinc in hair and serum of obese individuals in Taiwan. Chen MD et al., Am J Clin Nutr. 1988 Nov;48(5):1307-9.
  4.  Differences in trace metal concentrations (Co, Cu, Fe, Mn, Zn, Cd, And Ni) in whole blood, plasma, and urine of obese and nonobese children. Błażewicz A et al., Biol Trace Elem Res. 2013 Nov;155(2):190-200. doi: 10.1007/s12011-013-9783-8. Epub 2013 Aug 22.