合成着色料で染めたシャンプーやサプリは逆にハゲる?

合成着色料は昔から体に悪いと言われてきましたが、育毛薬やシャンプーにも普通に合成着色料が使われています。髪の毛に良くないなら合成着色料不使用のものに切り替えることもハゲ対策になるため本当に合成着色料は幹細胞や毛母細胞に悪影響がないのか医学論文で検証してみます。

合成着色料には細胞毒性がある

ハゲの育毛薬として私も長年使用しているフィナステリド錠剤の中には綺麗な黄色の発色を得るためにキノリンイエローという合成着色料で染めているものもあります。

キノリンイエローの構造 File:Quinoline Yellow WS.svg author: RicHard-59

医薬品でも石鹸やシャンプーのように毎日長年使うものは少量であっても望ましくない作用が現れてきますので微量であっても注意すべきです。合成着色料は化粧品や医薬品、食べ物に普通に使われているもので悪影響がすぐに現れないため健康と美容の科学的な知識がないと気にも留めないことでしょう。

合成着色料はDNAにダメージを与える

キノリンイエローは黄色ですが、赤くしたかったらエリスロシンという合成着色料がありますし、黒くしたかったらブリリアントブラックがあります。このように自在に楽に着色できる人工色素でもハゲにならないならシャンプーや育毛剤に使ってもいいのですが、実は合成着料には細胞DNAに傷をつける作用があることが知られています[1][2]。

DNAに傷をつける毒性のある物質は合成界面活性剤をはじめとして身の周りにあふれていますが、今回の合成着色料もその一つというわけです。このキノリンイエローは分子量も500以下で有機溶媒にも溶けるため比較的頭皮や皮膚から浸透しやすいと考えられます。特に頭皮の毛穴からは物質が入りやすいためハゲになる原因でもあるわけです。毛穴からわずか1~2mmの浅い部位にバルジ領域といって髪の毛や皮膚の元となる幹細胞が固まって存在してますから、キノリンイエローなどの合成着色料入りのシャンプーは合成界面活性剤の毒性も加わってハゲになる要素が増えることになります。

キノリンイエロー不使用だとすごい色になる

フィナステリドは通常飲み薬ですので合成着色料は全身に回ることになります。当然頭皮や毛包にも影響が考えられますので合成着色剤フリーの育毛薬があればそちらを使いたいです。現在私はフィナステリド錠剤はキノリンイエロー不使用のフィナロイドという錠剤を海外から買って毎日飲んでいます。でもフィナロイドの錠剤の色は異様なオレンジ色でキノリンイエローを使わないとこんな色になるのかなと考えたりします。

キノリンイエロー合成着色剤不使用フィナステリド

まとめると、キノリンイエローなどの合成着色剤は化粧品や食べ物、医薬品に常用されており、その毒性は細胞のDNAにダメージを与えるというもの。細胞のDNAにダメージが起こると細胞分裂の永久停止やアポトーシス、機能劣化など老化につながるためなるべく合成着色料が入っていないものを選んでいくようにするとより良いハゲ・薄毛対策になるということです。

【参考文献】

  1. Erythrosine B and quinoline yellow dyes regulate DNA repair gene expression in human HepG2 cells. Chequer FM et al., Toxicol Ind Health. 2017 Jan 1:748233717715186. doi: 10.1177/0748233717715186. [Epub ahead of print]

  2. The evaluation of the genotoxicity of two commonly used food colors: Quinoline Yellow (E 104) and Brilliant Black BN (E 151). Macioszek VK et al., Cell Mol Biol Lett. 2004;9(1):107-22.