薄毛に効果がある食べ物のひとつに亜鉛があり、特に女性の薄毛では甲状腺機能障害による亜鉛不足[1]が薄毛の原因の一つになっています。
甲状腺障害がなくても体内に亜鉛が不足していると薄毛になります[2]し、男性型脱毛症(AGA)は男性ホルモンが原因の薄毛ですがAGAにおいても亜鉛の不足が原因の一つとされています[3]。また、頭皮の部位でも亜鉛の量に差が出ており、AGAの人の前頭部では後頭部と比べて亜鉛が減っています[4]。
さらに亜鉛は男性型脱毛症などのアンドロゲンがより強い男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素『5αリダクターゼ』を抑制する効果もあります[5]。5αリダクターゼ抑制剤で世界中でハゲの治療に使われているのがフィナステリドです。
亜鉛が不足しているか知る方法
亜鉛が足りているかを比較的正確に知る方法が『毛髪検査』です[1]。根元に近い部分から髪の毛を一部切り取って検査に出し亜鉛の量を測定するのです。健康と美容に関心が高い方は亜鉛は都市部では大気汚染で空気中に大気汚染物質として漂っているため亜鉛は足りていると考えるかもしれません。ところが毛髪中の亜鉛の濃度は大気汚染による亜鉛ではほとんど変わらないのです。ですので毛髪検査による亜鉛の量は体内の安定した亜鉛量が足りているかどうかを調べることができます。
注意点として、亜鉛や鉄などの微量ミネラルは過剰摂取すると逆にハゲますので適正な量を知るためにも検査をして亜鉛量をモニタリングしながら亜鉛補給をするとよいでしょう。髪の毛に関係している亜鉛以外の微量ミネラルについてもっと知りたい方はこの記事も参照してみてください。
【参考文献 】
- Zinc deficiency associated with hypothyroidism: an overlooked cause of severe alopecia. Betsy A et al., Int J Trichology. 2013 Jan;5(1):40-2. doi: 10.4103/0974-7753.114714.
- Diffuse alopecia in a child due to dietary zinc deficiency. Alhaj et al., Skinmed. 2007 Jul-Aug;6(4):199-200.
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