髪の毛が薄くなってきた人は一度は聞いたことがあると思いますが、プロペシアという育毛錠剤の有効成分がフィナステリドです。この記事はフィナステリドがなぜ抜け毛を減らし髪の毛を増やすのかについて詳しく解説していきます。
AGAを改善するフィナステリド
いわゆるAGAとよばれる男性ホルモン(アンドロゲン)に関連する薄毛にはフィナステリドが効きます。フィナステリドとミノキシジルはアメリカの公衆衛生局(FDA)に認められた2大育毛成分です[1]ので知っている人も多いのではないでしょうか。実際、私も長年この2つを育毛生活の軸にしています。
フィナステリドは男性ホルモン(アンドロゲン)がより強力な男性ホルモンである『ジヒドロテストステロン(DHT)』に変わってしまうのを防ぎます。DHTはアンドロゲン受容体とくっついて髪の毛を薄くするためDHTに変わることを防ぐことができれば育毛剤成分として効果が出ます。
テストステロンがDHTに変わるときに必要な酵素が『5αリダクターゼ(還元酵素)』です。5αリダクターゼには1型と2型がありますがフィナステリドは2型を阻害することで抜け毛を防いで毛を増やします。
日本ではフィナステリドの飲み薬は『プロペシア』しかありませんでしたが現在は日本でもジェネリックが売られています。
私も最初はプロペシアを飲んでいましたが次に国内のジェネリックを飲んで、現在は海外のジェネリックフィナロイドを飲んでいます。フィナロイドは合成着色料のキノリンイエロー不使用ですので髪の毛にさらに優しいと言えます。

海外のジェネリックのフィナステリド フィナロイド
なぜ男性ホルモンは薄毛の原因なのか
髪の毛がフサフサの人の髪の毛は9割程度が成長しています[1]が、ハゲている人の髪の毛は成長している毛の割合が少なくなり、だんだん『休止期』と呼ばれる何も成長しないで毛が抜けるのを待つだけの状態にある髪の毛が増えてきます。
先ほども述べましたがフィナステリドは男性ホルモンがDHTに変わるのを防ぐことでハゲ防止になります。このDHTは強力なハゲの原因で、アンドロゲン受容体とくっつくと休止期をのばすシグナルを出すだけでなく[1]、さらに毛の根元の毛乳頭の老化を加速していく作用もあります[1]。これがDHTが増えると薄毛になっていくということの説明になります。
フィナステリドの副作用
フィナステリドは男性ホルモンに作用する育毛剤成分であるため男性の性機能障害があります[1][2]。長く使用すればするほど性障害が起き、フィナステリドの使用をやめた後でも持続することがあります[1][2]。
男性の薄毛のほとんどの原因は男性ホルモンによるものですので薄毛を改善するか性機能をとるか悩ましいところです。このような5αリダクターゼの性障害は3%~16%程度で現れます[3]。薬は必ず副作用がありますので副作用を知って自分で決めることが大切です。
女性に対するフィナステリドの副作用はあまり調べられておらずどのようなリスクがあるか不明点が多いのです。ある報告では女性が5αリダクターゼを使用する副作用として考えられるものには妊娠時に5αリダクターゼを服用すると男性胎児における先天異常や頭痛、胃腸の不快感が考えられるとし、単発の報告として月経の変化やニキビ、めまいが起きた報告があったとしています。そのため日本ではフィナステリドなどの5αリダクターゼ阻害薬の女性への適用がありませんのでご注意を。
このフィナステリドより強力な5αリダクターゼ阻害薬成分であるデュタステリドについても知っておくとより薄毛治療薬に詳しくなれます。
【参考文献】