薄毛に効く豆乳や納豆の大豆イソフラボン

大豆はAGA(いわゆる男性ホルモンによるハゲ)に効果があります[1]。今回の記事は男性ホルモン(アンドロゲン)型脱毛症(AGA)の抑制に豆乳や豆腐などに豊富に含まれている大豆中のイソフラボンが有効だという記事です。

AGAの原因

遺伝要因

AGAは7,8割の人の薄毛の原因で遺伝子要因、ホルモン要因、環境要因があります[2]。遺伝子要因では若禿げになりやすい遺伝子や遺伝子のタイプがわかっています[1]。

薄毛は遺伝するのか?
親が薄毛でハゲていると特に男の子供は高確率でハゲると言われてきました。一方でハゲは大部分の原因が男性ホルモンによる毛包の縮小とされて...

遺伝子要因は仕方ないとして他の2つつまり『ホルモン要因』と『環境要因』はできる限り改善して薄毛を改善したいところです。

ホルモン要因

AGAにおけるホルモン要因としてテストステロンが頭皮の毛穴で5α-リダクターゼ酵素によってより強い男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変わることがハゲの原因となっています。

若ハゲの原因と若ハゲ対策
一般的に若ハゲと呼ばれるのは40歳未満の薄毛ですが、若ハゲは10代でも20代でも起こります。この記事では若ハゲに特徴的な原因を書いていますが...

ですのでホルモン要因を改善するには男性ホルモンの作用を弱められれば薄毛が改善するわけです。

環境要因

もう一つのAGAの原因である環境要因には大気中を浮遊している排ガスやタバコ由来の金属や物質高血糖などメタボリックシンドローム紫外線食べ物などと関係しています[1][2]。

空気中を浮遊している大気汚染微粒子で薄毛になるか?
薄毛の原因には毛包や幹細胞が活性酸素と炎症で機能が衰え細胞数が減ってくることがあります。特に都市部や沿岸部の空気中には皮膚や頭皮など...
肥満と薄毛は関係があるの?
肥満で薄毛はかなりのインパクトがあり、なんとなく太っている人に薄毛の人も多いように感じますが、本当に肥満と薄毛は関係があるのでしょう...
日光にあたるとハゲるのか?
特に都市部では大気汚染により窒素酸化物や酸化鉄、PM2.5といった排気ガスや工場排煙由来の微粒子が活性酸素を発生させて肌の老化や薄毛...
薄毛対策に有効な栄養素
50歳時点で約50%の人が程度の差はあれ男性ホルモン型の薄毛(AGA)でハゲていくといいます。そんな状況で食べ物やサプリメントなどの...

禿げている人は正常な髪の人よりも鉛、銅、カドミウムの毛包内濃度が高く、亜鉛濃度が低いことが報告されています[1]。

亜鉛は薄毛の改善に効果があるの?
薄毛に効果がある食べ物のひとつに亜鉛があり、特に女性の薄毛では甲状腺機能障害による亜鉛不足が薄毛の原因の一つになっています。 ...

先ほど述べたある遺伝子だけでなくタバコは40歳以下の若禿げの原因になっています[1]。

大豆イソフラボンがAGAを改善する

AGAでは毛が細く痩せていきますがAGAの毛母細胞では炎症が起こっています[2]。炎症が起こると活性酸素が発生するのでDNAもダメ―ジを受け老化(薄毛)になっていくのです。実際、AGAの方の血液では抗酸化成分が少なく、酸化が進んでいます[2]。

豆乳や豆腐、納豆、きな粉などの大豆製品にはイソフラボンというポリフェノールが含まれています。イソフラボンは女性ホルモン様作用をもっているためAGAの原因である男性ホルモンの影響を抑えてくれます[1]。日本人の約半数の腸内細菌にはこのイソフラボンをより強力なエクオールに変える細菌が住みついています。そのようなラッキーな腸内細菌をお持ちの方はAGAになりにくいといえるでしょう。

先ほども述べましたが、AGAは一見炎症が見られないのですが毛包のなかでは炎症と活性酸素が増加しています[2]。さらにこれらイソフラボンやエクオールは抗酸化剤でもありますのでAGAによる毛包の炎症を抑える効果もあります[1]。同様の理由で化粧品の抗酸化剤成分であるビタミンC誘導体やビタミンE誘導体も薄毛対策に有効と考えられます。

ビタミンC誘導体は薄毛に効果があるのか?
皮膚では紫外線や大気中の微粒子による活性酸素の放出を減らすためビタミンC誘導体の塗布が老化を防ぐのに有効です。そこでビタミンCの抗炎症・抗酸...

【参考文献 】

  1. Androgenic alopecia is associated with less dietary soy, lower [corrected] blood vanadium and rs1160312 1 polymorphism in Taiwanese communities. Lai CH et al., PLoS One. 2013 Dec 30;8(12):e79789.
  2. Oxidative stress in androgenetic alopecia. Prie BE et al., J Med Life. 2016 Jan-Mar;9(1):79-83.