特に都市部では大気汚染により窒素酸化物や酸化鉄、PM2.5といった排気ガスや工場排煙由来の微粒子が活性酸素を発生させて肌の老化や薄毛の原因となっている状況です。
そのため大気汚染とともに環境ストレスである日光紫外線を浴びると肌の老化だけでなく頭皮の老化から薄毛の原因になるのでは?と考えるのも当然です。本当に日光紫外線がハゲや薄毛の原因となるのか医学論文で検証してみたいと思います。
髪の毛は紫外線をガードしている
日傘や帽子が紫外線を防いで頭皮へのダメージを防ぎ薄毛にならないようにしているように髪の毛があれば日光を浴びても紫外線を防いでいるため髪の毛がちゃんとある人はある程度紫外線による頭皮への悪影響は抑えられます。
ところが年齢とともに薄毛になってくるものですのハゲて髪の毛がなくなってしまったらどうでしょうか?髪の毛が薄くなってしまうともう頭皮まで紫外線をガードするものがありません。
ハゲている人の毛根部は炎症と活性酸素レベルが高い
ハゲている人や老化で薄毛になったり白髪が増えてきた人の毛根は炎症や活性酸素が多いことが知られています[2][4]。つまり頭皮の炎症はハゲる原因ということです。日光紫外線を浴びると頭皮に活性酸素と炎症を引き起こします[1]。実際、週に16時間以上日光を浴びている女性では薄毛が多かったというデータもあります[5]。
日光を浴びたことによる活性酸素は髪の毛を作る細胞『幹細胞』にもDNAダメージを与えてしまうことで細胞分裂が停止し薄毛の原因にもなります。幹細胞は毛穴からわずか1~2mmの浅い部分にいるので日光やシャンプーの影響を受けやすいのです。
頭皮のコラーゲン量が減ると髪の毛が薄くなる
日光を浴びるとハゲるのはコラーゲン線維の量も関係しています。紫外線を浴びると活性酸素と炎症が発生するため頭皮では『MMP』というコラーゲン線維を壊す酵素が増えます。コラーゲン線維が少なくなると頭皮が薄くなることになるため髪の毛が十分に成長できなくなります。さらに近年の研究では先ほども出てきた幹細胞周囲のコラーゲン繊維が壊されると幹細胞が垢として角質から剥がれ落ちて髪の毛を作る細胞が減っていくことも知られています。
日光紫外線で白髪も増える
また、日光は頭皮のメラノサイトを完全に殺して色素がなくなる『白斑』を作ることがあります[3]。白斑ができると本当にそこだけ白抜けするため同じハゲでもきれいなハゲにはならなくなります。紫外線がメラニン色素をつくるメラノサイトのDNAを壊してしまい色素がぬけて白斑になってしまったのです。先ほども述べたように髪の毛のメラノサイトの幹細胞も髪の毛を作る幹細胞と同じ部位に固まっており毛穴からわずか1~2mmの浅い部位にあるため、シャンプーや日光紫外線でDNAにダメージを受けて白髪も増えていくことになります。
つまり、日光を浴びると炎症や活性酸素が増え薄毛の原因になるということです。日光の紫外線予防には日傘で遮断することが有効ですが毎日の使用には面倒ですし男性はそもそも日傘をする習慣がありません。そこで薄毛予防にビタミンC誘導体やビタミンE誘導体を配合した美容液や化粧水を頭皮にぬって出かけることも対策になります.
【参考文献】