薄毛対策にコーヒーを飲む?

コーヒーを毎日何杯か飲む人は非常に多く、私も毎朝豆から挽いて香りとともに1,2杯いただいて一日を始めます。コーヒーにはカフェインが含まれており覚醒作用があることやポリフェノールが豊富で善玉腸内細菌のエサになることが広く知られていますがコーヒーは髪の毛にはどのような影響があるのでしょうか?

コーヒーのカフェインは男女とも薄毛対策になる

コーヒーに含まれる『カフェイン』は老化を食い止める効果だけでなく薄毛にも効果があります。カフェインは男性の一般的なハゲの原因である『男性型脱毛症(AGA)』の対策として有効です[1]。

また、男性のAGAだけでなく女性の薄毛の改善にカフェインが有効です[1]。細胞実験ではコーヒーに含まれるカフェインは髪の毛を成長させる刺激を与えて育毛作用があることが示されています[2]。カフェインの分子量は非常に小さいためコーヒーを飲むだけでなく頭皮に塗っても有効だと考えられます。特に頭皮の毛穴は体の他の部位の皮膚の毛穴よりも大きく特大サイズですのでカフェインが毛穴からも入ることも容易に考えられます。

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先ほど述べた男性型脱毛症はテストステロンが『5αリダクターゼ』という酵素の作用でより強力な男性ホルモン『ジヒドロテストステロン』に変わり脱け毛や産毛が増えてハゲていくのです。コーヒーに含まれるカフェインは男性型脱毛症の原因である男性ホルモン『テストステロン』による薄毛を減らします[3]。つまりコーヒーに含まれるカフェインの摂取はAGAのハゲに効くということになります。

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カフェインはmTORを抑制してオートファジーを誘導する

カフェインは髪の毛を作っている毛母細胞の機能をリフレッシュしてくれます。

毛穴構造

そのリフレッシュ作用のことを『オートファジー』といいます。カフェインにはこのオートファジーを起こす作用があるのです。細胞は加齢とともに機能が衰えてきます。髪の毛の細胞にオートファジーが起こると髪の毛を長く太く作ることに役立つことになります。

また、髪の毛が長く成長するためには毛乳頭周囲の真皮のコラーゲンが十分にあることが必要です。カフェインはオートファジーでコラーゲン繊維を作っている線維芽細胞の機能を改善しコラーゲン線維の質が改善しコラーゲン繊維量も増えるので髪の毛が増えることになります。さらに近年、髪の毛の元となる幹細胞周囲のコラーゲン繊維が破壊されて減ることで幹細胞が死んで数がへって薄毛になっていくことも判明しています。

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つまり、コーヒーに含まれるカフェインは男性でも女性でも薄毛の改善に役立つということです。

【参考文献】

  1. Evidence for supplemental treatments in androgenetic alopecia. Famenini S et al., J Drugs Dermatol. 2014 Jul;13(7):809-12.
  2. Effect of caffeine and testosterone on the proliferation of human hair follicles in vitro. Fischer TW et al., Int J Dermatol. 2007 Jan;46(1):27-35.
  3. Role of caffeine in the management of androgenetic alopecia. Bansal M et al., Int J Trichology. 2012 Jul;4(3):185-6. doi: 10.4103/0974-7753.100096.