緑茶は薄毛を改善する作用があるのか?

緑茶に含まれるポリフェノールの一つ緑茶カテキンはガン細胞にも効果があることが知られています[1]。その有効成分が『エピガロカテキンガレート(EGCG)』と呼ばれるポリフェノールです。緑茶はこのエピガロカテキンガレートとともにビタミンCも豊富ですので、私は緑茶を冷蔵庫に常備しておりまして、のどが乾いたら同じ冷蔵庫にある麦茶よりも紅茶よりも優先して緑茶を飲んでいます。

この緑茶カテキンはさまざまな効果をもっており、薄毛に効くかどうか知りたくありませんか?さっそく医学論文で見ていきましょう!

緑茶のハゲ改善作用

5αリダクターゼ阻害作用

男性のハゲのほとんどはこの5αリダクターゼという酵素が関わったハゲです。5αリダクターゼは男性ホルモンのアンドロゲンをより強烈な男性ホルモン『ジヒドロテストステロン(DHT)』に変えて髪の毛の成長を制限してしまいます。そして抜け毛や産毛化が進んでいくのです。

そのため、この5αリダクターゼを阻害してやれば薄毛が改善します。実際に薄毛治療で使われている5αリダクターゼ阻害薬の代表的な治療薬はフィナステリドで、商品は日本ではプロペシアが有名ですね。現在はプロペシアのジェネリックも国内で買えるようになっており、私は販売開始からすぐにトーワのフィナステリドジェネリックに切り替えました。さらに現在は海外のジェネリック『フィナロイド』を毎日飲んでいます。

【薄毛治療の飲み薬】現在はプロペシアだけではなくジェネリックが日本でも購入可能に
思い返してみると私がプロペシアを始めたきっかけは日本抗加齢医学会に入って『フィナステリド』という成分がハゲ治療に実際使われていると聞いたから...

なんと緑茶にも5αリダクターゼを阻害する成分が含まれており、その成分が最初に述べた緑茶カテキンのエピガロカテキンガレート(EGCG)です。実際、緑茶カテキンで毛が再成長したという報告もあります[1][2]。

5αリダクターゼ阻害剤のフィナステリドについて詳しく知りたい方はこの記事も参照になさってください。

薄毛に有効な育毛剤成分③ フィナステリドの効果
髪の毛が薄くなってきた人は一度は聞いたことがあると思いますが、プロペシアという育毛錠剤の有効成分がフィナステリドです。この記事はフィナステリ...

抗酸化作用

カテキンはポリフェノールだと言いましたが一般にポリフェノール類は抗酸化力があります。当然カテキンも抗酸化力がある[1]ので活性酸素を消去する働きもあるのです。冒頭で述べたように緑茶には水溶性抗酸化剤のビタミンCが豊富でもあります。男性型脱毛症(AGA)で薄毛の人の毛根周囲は炎症と活性酸素が多いのでカテキンやビタミンCを増やすことによる抗酸化力は薄毛の改善にも有効だと考えられます。

【参考文献】

  1. The effects of tea polyphenolic compounds on hair loss among rodents. Esfandiari A et al., J Natl Med Assoc. 2005 Aug;97(8):1165-9.
  2. Human hair growth enhancement in vitro by green tea epigallocatechin-3-gallate (EGCG). Kwon OS et al., Phytomedicine. 2007 Aug;14(7-8):551-5. Epub 2006 Nov 7.
  3. Structure-activity relationships for inhibition of human 5alpha-reductases by polyphenols. Hiipakka RA et al., Biochem Pharmacol. 2002 Mar 15;63(6):1165-76.